『適性』の無かった転生者の独白

著者:ふゆ

やっとたどり着いた。
この先に目的の人物がいる。はずだ。

虐められっ子だった僕が、神様のおかげでゲームのような世界に転生出来たんだ。皆親切にしてくれるし、転生人生は順風満帆だった。

この先にいるのは墜ちた英雄、と呼ばれている人物だ。
その剣は一振で地を割り、本気で動くだけで竜巻が起きる。睨み付けただけでドラゴンが失神し、さらに不治の病をも治す技術まで持っていたらしい。
そんな盛り過ぎな人だったが、急にすべてを捨てて消えたらしい。詳しいことは皆口を噤むからわからないけど、滅茶苦茶なことが起こった、らしい。

何があったのかはわからないけど、危険人物として指名手配されてるのに見つからなくて皆不安がっていた。

だから、僕が倒してあげるんだ。
皆きっと褒めてくれる。喜んでくれる。

どこにいるかわからないって話だったけど、僕のチート能力さえあれば、大変だったけど見つけることだって出来た。皆も僕なら出来るって言ってくれたんだ。なんとかなる!

期待と不安に胸をざわつかせながら、僕は一歩踏み出した。

転生俺TUEEEEチート無双に適性のなかった悲しい男の独白です。

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