前世の記憶を思い出した時にこれから結婚する夫を殺すように命じられていたけれど、諦めて私が死ぬことにした結果。

著者:池中織奈

「あ」
 私、ウェリタは馬車に揺られて、頭をぶつけた拍子に前世の記憶を思い出した。

 これから私は、クーリヴェン公爵家に嫁ぐことになっている。
 今の状況はとてつもなく詰んでいた。なぜなら私は――これから結婚する夫を殺すようにと命じられているのだから。

 

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