俺の彼女は都合が悪くなると「別れるから」と脅してくるので、本当に別れてみた

「だから、明日はどうしても外せない用事があってさ……」
「あたしよりも大事な用なわけ?」
「そ、そうは言ってないだろ。ただ、ずっと行きたかったライブなんだよ。デートはいつでも出来るけど、ライブは明日しかないし……」
「じゃあ選んでよ。あたしとデートするか、あたしと別れてライブに行くか」
「ま、待てよ。何でそんな極端な話になるんだっ」
「朝十時に渋谷駅集合ね。遅刻しても別れるから」

彼女は端的に告げると、踵を返して帰路に就いてしまう。

追いかけようにも、その気力が湧かなかった。
どうせ、何を言ったところで聞く耳を持ってくれない。

──これまでの経験則から、俺はすでに諦めてしまっていた。

※カクヨムにも投稿しています。
※誤字脱字ありましたら報告していただけますと幸いです。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー