幼い頃、アレンは一人の冒険者に村を救われた。その勇姿に心を奪われたアレンは冒険者を夢見てコツコツと修行を重ねた。
しかし、現実は15歳のアレンに平均的な人族に比べて圧倒的にステータスが低いという現実を叩きつける。
ステータスのあまりの低さにアレンとパーティーを組もうとする者はおらず、気付けばアレンは“最弱(ワースト)”という蔑称で呼ばれるようになった。
その後何とか組めたパーティーでは、パーティーリーダーであるブレインの裏の顔に気付けず、ボロボロになるまで痛みつけられ、これを期にアレンはブレインを倒せる程に強くなる事を決意する。
そんなある日、冒険者ギルドに幼馴染であるシアが駆け込んできた。
息も絶え絶えに渡された泥だらけの討伐依頼には、アレンが生まれ育ち、現在も母が暮らしている村に黒竜が現れたという絶望的な事柄が書き記されていた。
アレンは藁にもすがる気持ちでギルド最強の冒険者であるブレインに黒竜討伐の依頼を見せるが、返ってきた答えは、
「なんでボクが泥塗れの小銭が詰まった皮袋一つでアレンの故郷を救わなきゃならないんだい?」
という冷淡なものだった。
結局アレンは説得を諦め、幼馴染のシアと二人で黒竜のいる故郷へと向かう。
しかし辿り着いた頃にはとうに村は滅び、生存者は一人も居なかった。
黒竜は暴れ回り満足したのか荒廃した村の中央で眠っていたが、アレンの接近に気付くと目を覚ました。
アレンは絶望に膝を屈しそうになる中、《スキル:倍速戦闘》の先の《スキル:自動戦闘》の更に先──【戦闘】の概念を覆す一つのスキルを行使する。
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