学校一の問題児である九部良倫《くぶらりん》は毎日のように自由奔放に学園生活を過ごしていた。
そんなある日、音楽室で内気な少女である克葉千和子《かつはちわこ》が紡ぐ美しいピアノの旋律に惚れ込むことになる。
交わるはずのない正反対の二人が、『合唱コンクール』をきっかけに接点を持つことに。
彼女に伴奏を担当してもらいたい倫と、頑なにそれを拒む千和子。ぶつかり合いながらも深まる絆の中で、二人の出す結論とは?
何者にもなれない中学生。才能と希望が行き来する日常の中で、二人はたしかに恋をした──。
去りし日の記憶を綴った青春ストーリー。
──たとえば、そこにピアノがあったから。
2020.9
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