ぼくたちは天使じゃない

きさらぎは、人一倍強い共感能力を持ついわゆる「エンパス」。
この能力のせいで学校生活になじめず、中学生のころから不登校で引きこもっていた。
そんなきさらぎが、父の入院先の病院で出会ったタケルに恋をする。

高校を卒業し地元を出て上京したタケルは、2年後のある日地元に戻っていたが、記憶を失っていた。

タケルと気まずい思いをしたまま別れたきさらぎは、その雨の日、焼き立てのパンの匂いと共にタケルの想いを感じていた。圧迫されるような胸の苦しさと共に深い眠りに落ちるきさらぎ。

東京から逃げてきたタケルを助け、その傷だらけで弱ったタケルを束縛することで自分の孤独を癒そうとする友美。

友美の想いに絡めとられながら、そこから逃げようとするタケルと、その気持ちを感じ取りなんとか助けたいと思うきさらぎ。しかし、ただ感じるだけで、どこにいるのか、どうすればよいかわからず途方に暮れる。

一方、タケルの出生の秘密を知り、真相を追求し始めるロイジーもその街へ。

きさらぎは、タケルは、果たして会うことができるのか。
タケルの罪は?
友美の罪は?

様々な思いが錯綜するひと夏の青春サスペンス。

レビュー