拗らせ恋の紡ぎ方。

著者:花澤凛咲

「結城は友達。な?」

その日から心の奥に閉まった恋心はいつしか存在そのものを誤魔化すようになった。

この想いがまるで無かったように振る舞い、いつしかそれ自体幻のように思わせる。

どうかこの想いに気づかないで。

わたしだけを見て。

矛盾する淡い恋は時を経て、拗れに拗れてしまい、もう可愛らしくもなんともないほど臍を曲げてしまった。

「ビー太郎の彼女なんて嫌よ」

伝えるつもりのない気持ちを抱えて、今日もあなたに笑顔を向ける。

彼に似合うヒトがその隣に立つ日まで、わたしはあなたの傍にいる。

心で泣いて、秘めた想いを隠しながら、わたしは一生その仮面を被り続ける。

結城綾乃(35)ADF+副社長付き秘書

木下雅 (36) ADF+副社長

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