そんなの嘘に決まってる

女王が君臨する薔薇と紅茶の大帝国。

この国の上流階級は、富と権威を我が物とした貴族や富裕層が、その知識と品性を活かして日ごとに優雅な交流を重ねる、絢爛なる社交の世界に身を置いておりました。

美酒に葉巻。

ドレスに扇。

礼儀と格式。

詩と哲学。

庶民には手の届かぬ上質な品々に囲まれ、庶民には真似できぬほどの数々の趣味と決まり事に縛られ、上等の衣服を鎧のように纏い、自分と同じ富裕層との親しい付き合いを続ける。

社交は貧民への奉仕と同じ、高貴なる者の義務でございました。

そんなジェントリの家に生まれたクローディアは、生来の人見知りで、お茶会でも夜会でも失敗ばかり。

自分が嫌いになるばかりの毎日に、ある日変化が訪れます。

美しくも堅苦しい社交界で、人と話すのが苦手だったら?

狩猟の話題に入れなかったら?

そんな、上流階級で生きにくい男女の、小さな恋物語。

前に作った話の改訂版です。

レビュー