【本編完結】
春子は偏屈な年寄りの、おでん屋台店主である。
酒は一人2合まで、銘柄は一つ。
冷ならそのまま、燗なら徳利に入れてとことこと温める。
おでんのほかは梅干の入った白ご飯にごま塩をまぶした握り飯と、甘い稲荷。
4人も座ればいっぱいの木の椅子で、すでに何軒も回って出来上がったサラリーマンが会社の愚痴をこぼすような、ただただ、おでん屋である。
そんなただのおでん屋なのに、いつも立ち寄る稲荷に二度柏手を打つと、知らない世界に行くようになってしまった。
だがしかし春子は何も変わらない。いつでもどこでもおでんを客に食べさせるだけだ。
おでん屋がただただ訪れた客に、あたたかいおでんを食べさせる。
ただそれだけで運命が少しだけ変わった、さまざまな人たちが交差して生きる世界のぽかぽかおでん群像劇。
◆「皿目」のつく副題が春子のおでん回
【】でナンバリングされた副題がおでん回に登場した現地主人公たちのその後のお話です。
ミネルヴァ編では恋愛要素、セントノリス編では学園友情要素が入ります。よろしくお願いします。
※連載開始後改めて引車による移動営業関連の法律を参照しましたが……食まわりの法律に詳しい方はお読みにならないことをお勧め致します。作者が阿呆ですいません!
春子の世界が現代より少し昔か、ファンタジーと割り切れる大人の方だけどうぞお気楽にお進みください。
2022年2月2日追記
シリーズものとして箸休め(現地主人公たちの日常話集。セントノリス中心)開始しました。
2022年4月6日追記
完結しました。追って後日談を追加したいと思っております。
レビュー