政務官殿と王宮メイド

リリ・フレシアス子爵令嬢は、刺繍が好きすぎる刺繍バカだ。
三度の食事より睡眠よりも刺繍が好き、布と糸に埋もれて暮らしたい。
そんな欲望を抱いて一日中刺繍をしては気絶したように眠り、起きてはまた刺繍をして、といった生活ぶりのリリのことを心配した家族は、どうにか真っ当で健全な暮らしをさせるべく、リリを王宮でメイドとして勤めるように促す。
一応は家族に従って王宮メイドとして働くことにしたリリであったが、実はこのリリ、ただの刺繍バカではなく、極端に振り切れてしまっている刺繍バカであった……!?
「何故今そこで、そのような高難度の魔法を使うのだ!?」
「刺繍をするためですけれど、なにか?」
これは全てを「刺繍のために」費やすリリと、それに巻き込まれて行く不幸な男、テオドアとのアレコレの記録である。

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