うすかわいちまいむこうがわ

著者:豆田 麦

 確か、マジで? って思った。
 前世の記憶を持ったまま大正時代の日本に逆行したかと思いきや若干なんか違う世界だ。魔法とかある。でも私にはなかった。そのせいで前世と同じく家族にいない子扱いされている。マジで。何か転生特典とかあるかと思うでしょう。ないの。とても不遇。

 「さつきさんのことは……どうしてもそういう対象に見えなくて申し訳ないと思っていた」

 生まれた時からの許嫁は妹にとられた。すごく不遇。
 だけど私は負けないよ。小さな黒い毛むくじゃらの異形が何故だかずっとそばにいるから。いるだけだけど。

 「は!? 寄ってこられたことはあっても逃げられたことなんてねぇよ!」

 しゃべらなきゃイケメンの軍人さんに拾われて運が向いてきたかもしれないし違うかもしれない。
 
 
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 同タイトルの過去自作がありますが別物です。似てますけど別物です。

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