乙女ゲームをやり尽くし、ありとあらゆる小説や漫画を読破した、定番を知り尽くした転生令嬢のルナ。そんなルナは崖っぷちのピンチで、定番の展開だと現れるヒーローの存在を待っていた。あらわれたのはおしゃれ坊主のセオドア・クロウ。
「なあ、これも定番の一つか?」
そう言ってセオドアはルナの顎を持ち上げた。
(こ、これはまさかの、顎くい)
頬が火照るルナが喜んでいるのが手に取るようにわかるセオドアはニヤリと笑う。
「黙ってるってことは違うのか? なあ?」
(次は、あの有名な、壁ドン)
漫画や乙女ゲームではさんざん見たことのあるけど、現実ではこんなこと起こらないと思っていただけに、定番の展開にときめくルナと、おしゃれ坊主セオドアのお話。
レビュー