『聖女』も過ぎれば『毒婦』になる

著者:鰯づくし

『聖母』と呼ばれ、国中の民から慕われる元『聖女』セレスティア。
彼女の元には、国王や貴族の横暴に苦しむ平民達が毎日のようにやってきては様々な訴えを持ち込んでいた。
二つ名の通り慈悲深くその訴えを受け止めるセレスティア。
しかし彼女はその裏で、訴えを利用して貴族達の権力を削ぎ、教会内での地位を高めていた。
彼女の護衛であり、かつその謀略の手先であるラナから見れば、彼女は『聖母』などではなく『毒婦』。
一歩間違えれば破滅間違いなしな行いをしているセレスティアを『この女』と内心で呼んでいるラナだが、しかし彼女から離れられない理由もあった。
女教皇として上りつめるのか、それとも破滅して落ちるところまで堕ちるのか。
どちらにせよ、最後まで付き合おうとするほどに。

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