一時帰国して喜劇を見る

 ベイリー王国の公爵令嬢ローレン・デアリングに転生した菊理。役職も無く、領地経営を代官に丸投げして遊んでいる父のせいで家計は火の車だ。父の代わりに領地経営をして自分の私財と学費を稼いでいた。ローレンが十四歳になる頃には家計は正常に近づいた。
 十五歳から入学が義務付けられている学校に入学する一年前に、王命で留学が決まった。
 この世界では治癒魔法が使える女性を聖女と呼ぶ。治癒魔法が使える自分も候補生になってしまった。聖女候補生は大神殿を抱えるファリス王国の神学校に通わなくてはならない。この義務のせいで留学が決まった。
 留学する半年前に父が子連れの女性(平民)と再婚した。面倒な事に、この母娘は散財癖が有り、家計は再び傾いた。
 家計について頭を抱える暇も無く、留学先に向かう日が来てしまった。王に色々と相談してから出国した。
 けれども三年後。
 どう言う訳か、自分の悪評がベイリー王国内で広まっている。確認の為にお供と一緒に一時帰国した。
 王に色々と問いただすと、呆れた答えが返って来た。

 そして、第二王子がどう動くのか確認する為に参加した夜会で待っていたのは――喜劇だった。

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