血通う機械は摩天に挑む

著者:氷純

 かつて数千万人が住んでいたという高層都市は疫病発生を受けた管理AIの行き過ぎた隔離政策により無人となった。
 消費する人間も住まない高層都市には管理AIが補充する様々な物資が行き渡り、あふれた物資は地下へと廃棄される。
 そんな廃棄物が山と積もる地下には生き残った人類が積層都市を作り出していた。
 地下積層都市の住人、紀野晴斗は小型人型機械、怪機を使って地上の高層都市から物資を持ち出しては地下の商店に卸す、地卸を営んでいた。
 ある日、紀野は亡霊の噂話を聞く。
 無人となったはずの地上で何者かに食べられた缶詰が見つかったという。
「亡霊ねぇ……」
 紀野は愛機、鉄鼠を繰り出して噂の亡霊を地下に招く計画を立て始める。

 ――これは、いずれ地上を人類の手に取り戻す二人の出会いのお話。

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