世界でただ一人のバーサーカーヒーラー ~外れジョブだったせいでパーティーを追放された狂戦士は、今日も自分を癒やしてダンジョンに潜る~

魔力が一定量を超えると、己のジョブが紋章となって現れる世界。
Eランク冒険者『深山の緑鱗』の前衛であるフレディーに現れた紋章は、バーサーカーとヒーラーだった。
彼は世にも珍しい二つの紋章持ちだったが……その取り合わせがあまりにも悪かった。 
バーサーカーは肉体を超強化するものの、戦闘の最中に我を忘れるバーサクの状態異常にかかってしまうため、団体行動に向いていない外れジョブ。
そして残るヒーラーとしての力もパーティーメンバーに劣っており、彼の役割は完全になくなってしまう。
パーティーを追放されたフレディーは、仕方なくソロでダンジョンに潜る。
そこでフレディーは自分の回復が、効力は低いものの持続性だけは妙に高いことに気付く。「バーサク状態を自分で癒やし続ければ……常に超強化したまま理性を保てるんじゃないか?」
バーサクの状態異常を回復魔法で癒やし続け意識を保つ独自のやり方を身につけた彼は、がむしゃらにダンジョンに潜り続ける。
ソロで暴れ回るのに、なぜか理性を保っているバーサーカーがいる。
そしてなぜかそいつは出会いがけに、傷を治してくれるらしい。
「「「――そんなヒーラーがいてたまるか!」」」
フレディーがダンジョンの有名人になるまで、時間はかからなかった。

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