間違って舞踏会に一番乗りしてしまったシンデレラ

著者:矢野りと

リリミア・ムーアは正真正銘の子爵令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、数年後には大好きだった父も不慮の事故で呆気なくこの世を去ってしまう。

可哀想な彼女は一人残されて……とはならなかった。

父であるムーア子爵は亡くなる一ヶ月前に再婚していたのだ。だから継母と二人の義姉も一緒に残されたのである。
それから先はお決まりのパターンを辿ることになる。
まるでおとぎ話のシンデレラのように…。

気づけばリリミアは『シンデレラ令嬢』と陰で呼ばれるようになっていた。

『いつかきっと幸せになれるわ』と頑張り続ける前向きな彼女。
ちょっとおとぎ話のシンデレラよりもたくましい…。
ある日憧れの王子様を近くで見てみようと王城で開かれる舞踏会にこっそりと参加する。
だが間違って開始時刻よりもだいぶ早くに到着してしまい、王子と護衛騎士の会話を偶然耳にしてしまう。

『そこにいるのは誰だっ!』
『……誰もいませんのでお気になさらずに……』

※アルファポリス様にて投稿完結済です。
※設定はゆるいです。

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