クラフトは新進気鋭のパーティのアイテム管理を担当する『合成師』だった。
各レアリティに数多存在するアイテムの中から優秀な付加効果を選び抜き『合成』していたクラフトだったが……出来上がるのはことごとくNR(ノーマル・レア)の武器ばかりだった。
レアリティしか見ないパーティメンバーからは見捨てられ、ダンジョンの奈落に落とされてしまったクラフトは、その場にある素材を使って『合成』を繰り返し、挙げ句の果てにダンジョンボスまで倒してしまう。
そこで助けたドワーフの姫と縁ができてドワーフ王国の国王の病をも『合成』の力で治してしまうクラフト。すると、決して人間とは取引しないと云われているドワーフの国に招かれることに。
その理由はクラフトの生み出すNRのアイテムの真価にあった。
鍛冶の殿堂、ドワーフの国で過ごしていくうちに『合成師』としてどんどん成長していくクラフト。その周囲には彼を慕う多くの亜人が集うのだった。
一方、高レアリティの武器を使うようになったパーティは……能力不足でSSRの武器の性能を欠片も発揮できず破滅していく。NRの武器は誰でも簡単に扱えて『合成師』の力があればSSRをも凌駕する武器を作れる事に気付き、クラフトの武器の有能さを思い知った頃には、クラフトはもう遠くへ。ドワーフの国で楽しく暮らすクラフトがパーティに戻るわけがなかった。
これは、ようやく居場所を見つけた一人の『合成師』が敵に会えば無双し依頼があれば最高級品のアイテムを生み出し、さらなる未知を探しに旅をする物語である。
レビュー