「レイチェル様との婚約を破棄する。との事です」
ザッカハーク公爵の娘、レイチェルの元へ尋ねてきたアルベルト皇太子殿下の遣いはそう告げて去っていった。
一人部屋に取り残されたレイチェルは、誰も見ていないことを良いことに大きくガッツポーズをした。
「よし! これで未来は安泰よ!」
実はレイチェルはこの世界に転生してきた女性であり、その為に未来を知っている。
元々気性が激しかったアルベルトは将来暴君と呼ばれ、人々怨みを買うのだ。そして、クーデターで捕らえられ、首を跳ねられる。諌めていた側のレイチェルであったが、民の怒りは関係ない。一族は全て処刑されてしまう。
そんな未来を避けようと奔走していた努力が叶ったのだ。
ただ、そんなある日、問題が発生してしまった。
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