小説家になろう 婚約者はわたしよりも、病弱で可憐な実の妹の方が大事なようです。 「ごめん、リア。出かける直前に、アビーの具合が急に悪くなって」 これが、公爵家令嬢リアの婚約者である、公爵家令息モーガンがデートに遅刻したときにする、お決まりの言い訳である。 モーガンは病弱な妹のアビーを異常なまでにかわいがっており、その言葉を決して疑ったりはしない。 リアが怒っていなく.... 著者 : ふまさ 2023.08.09 小説家になろう
小説家になろう 別れ話をしましょうか。 大好きな婚約者であるアールとのデート。けれど、デージーは楽しめない。そんな心の余裕などない。今日、アールから別れを告げられることを、知っていたから。 お芝居を見て、昼食もすませた。でも、アールはまだ別れ話を口にしない。 ──あなたは優しい。だからきっと、言えないのですね。わたしを哀しませ.... 著者 : ふまさ 2023.05.10 小説家になろう
小説家になろう 心から愛しているあなたから別れを告げられるのは悲しいですが、それどころではない事情がありまして。 「……ごめん。ぼくは、きみではない人を愛してしまったんだ」 幼馴染みであり、婚約者でもあるミッチェルにそう告げられたエノーラは「はい」と返答した。その声色からは、悲しみとか、驚きとか、そういったものは一切感じられなかった。 ──どころか。 「ミッチェルが愛する方と結婚できるよう、おじさまと.... 著者 : ふまさ 2023.04.26 小説家になろう
小説家になろう あなたを愛していないわたしは、嫉妬などしませんよ? 目の前で抱き合う、婚約者であるダレルと、見知らぬ令嬢。立ち尽くすアレクシアに向き直ったダレルは、唐突に「きみには失望したよ」と吐き捨てた。 「ぼくとバーサは、ただの友人関係だ。なのにきみは、ぼくたちの仲を誤解して、バーサを虐めていたんだってね」 ダレルがバーサを庇うように抱き締めながら、アレ.... 著者 : ふまさ 2023.04.12 小説家になろう
アルファポリス 大好きだったあなたはもう、嫌悪と恐怖の対象でしかありません。 「──お前のこと、本当はずっと嫌いだったよ」 「……ジャスパー?」 「いっつもいっつも。金魚の糞みたいにおれの後をついてきてさ。鬱陶しいったらなかった。お前が公爵令嬢じゃなかったら、おれが嫡男だったら、絶対に相手になんかしなかった」 マリーの目が絶望に見開かれる。ジャスパーとは小さな頃からの付き合.... 著者 : ふまさ 2021.10.13 アルファポリス