この瞬間を生きる

あの、全てがどうでもよくなる感覚は

何とも言い表しようの無いものだった

人っていうのは、自分の人生に諦めがつく瞬間があるらしい

それは私の判断を鈍らすには充分だった

  
「今夜だけでいい。あたしを愛してよ」

私の口から出た無意識の言葉
酒と薬で頭がおかしかったんだ

「あの日、助けてくれって泣いたのは、お前だろ」

どうして優しいのかな
君の言葉は、私を強くする

諦めて捨てた人生を
少し前向きに歩める場所

「今日からあたしがこのクラスの担任!」

荒れ果てた男子校に現れた教師

あんな明るい笑顔を見せるくせに、どうして毎日泣きそうな顔をする時があるんだろう。

「どうせ芽郁は覚えてない」

そう泣きそうな顔で言う
何もかも覚えているのに忘れたふりをする。ズルくて可哀想な大人

「あんたたち!死ぬ気で青春しな!」

—–

レビュー