もう恋は始まっていた

著者:まじこ

2019.5.18 表紙絵更新
ななみるぽん(https://estar.jp/users/151038974)さんに描いて頂きました。
ありがとうございました!

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※お詫び※
加筆修正を加えた関係で、せっかく戴いたコメントと本編の内容が噛み合わなくなっています…申し訳ありません!
もっと濃くて面白い内容にしようとした結果なので、ご容赦くださいませ(;_;)

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都心から山を幾つか超えたところに、小さな村があった。村中のみんなが家族のようで、まるで、そこだけ時が古き良き時代に遡ったみたいだった。

そんな村の隣同士の家で、私と彼は育った。

幼稚園も小学校も、中学校も一緒。兄妹みたいに、一緒に大きくなった。

16歳になる年には2人で村を出て、全寮制の高校に進学した。

私に初めて彼氏ができた時は、ケーキを買ってお祝いをした。
私が初めてフラれた時は、泣きじゃくる私をそっと撫でて、大好物の肉まんをご馳走してくれた。
私が初体験を迎えた時は、フザけて赤飯を一緒に炊いて、水分が多すぎてベチャベチャになった失敗作を、文句を言いながら一緒に食べた。

気が付けば、大学も、就職先も一緒。

今や彼は、私の空気だったーーー

2019.3.29 加筆修正版 連載開始

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