離婚予定日のはずですが

著者:砂原雑音

【完結後、部分公開になります】

瀬名いずみ(旧姓:富樫)
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瀬名和也

兄弟姉妹もおらず、両親も離婚してからすっかり疎遠
かけおち同然だった両親のおかげで親類縁者もよく知らない
冷めきった夫婦を見て育ったせいか、元々結婚に夢などは一切なかった
それなら仕事のため会社のためにちゃちゃっとサインをするくらい
たいしたことでもないわけで
何せ近頃、バツ1バツ2なんて珍しくもないんだから

そう思っていたのが、三年前の今日
離婚予定を設定したのち、婚姻届けに判を押した

それなのに。

「……あの」
「なんだ」
「……今日は、お約束の離婚予定日なのですが」

どうして、今、私
押し倒されているのでしょう

「いずみ」
「はい?」
「予定は未定とよく言うだろう」

なんっも答えになってません!

予定は未定にして決定にあらず
されど予定は立てねばならぬ

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