異世界ウォーキング

レビュー(1件)

異世界転移で俺が習得したスキルは「ウォーキング」
表向きの効果は「どんなに歩いても疲れない」
隠し項目に表記されている効果は「一歩歩くごとに経験値1を習得」
何もしらない召喚者たちは、同時に召喚されたものたちが持つ有名スキルを見て勇者と崇め、役に立ちそうにないスキルを持つ俺を厄介払いするように追い出した。
自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

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レビュー

  1. えい より:

    復活した魔王を倒すべく自分を含む七人の男女が異世界エレージア王国に召喚された。
    その中のひとりである高校生・藤宮そらのスキルはどんなに歩いても疲れない『ウォーキング』という謎スキル以外は最低レベル。
    騎士たちの嘲笑の中、わずかな金とともに城から放り出された藤宮そらは冒険者ギルドに登録し、報酬は低いがリスクも低い依頼をこなし、自身のレベル以上の野獣を偶然倒し、野獣に追われていた二人の美少女、クリスとルリカを助ける。

    この世界を震撼させている魔王の討伐に興味がないそらは、当面の間クリスとルリカと行動を共にする。しかし彼女たちは先の戦争で帝国の侵攻を受けたときに離ればなれになった友人たちを探すべく、ギルドで仕事を請けつつ行く先々の奴隷商をあたって彼女たちを探しているという事情を知る―。

    主人公は表向き異世界に転移したことを受け入れつつ、エレージア王国に対し協力もしなければ敵対もしない、魔王やゴブリンの大量発生など、作品世界における『事件』にあえて積極的に関与はせず、自分自身の生活を第一に考え、需要が逼迫して割の良い仕事と化している薬用採取を生業にしながら少しずつ力を蓄えるという、派手ではないが主人公の強かさを前面に描いていて面白い。