藍野隼也《あいの しゅんや》は陰キャで人見知りの少年である。けれどそんな藍野には『マジック』という、誰にも負けない特技を持っていた。
藍野はその持ち前の器用さと発想力で『超天才マジシャン少年』と呼ばれる程の実力者に上り詰めるのだったが……とある事件がきっかけで、人前でマジックを披露しなくなってしまった。
……それから数年後。高校生になって更に陰キャを拗らせてしまった藍野は、誰に見せるわけでもなく授業中にこっそりコインをイジって遊んでいた。
そんな時……隣の席の元気っ子美少女、雨宮陽菜乃《あまみや ひなの》と目が合ってしまう。
その時は特に気していなかった藍野だったが……何故かそれ以来すっかりと懐かれてしまい、毎日話しかけてきたり、藍野にしか伝わらないような暗号を黒板に書いたりするようになった。
そして最終的にマジシャンであることに気付かれてしまった藍野は陽菜乃に「マジシャンであることを黙っててくれ」とお願いをする。そしたら陽菜乃は。
「いいよー! でも1人でコソコソやるくらいならさ、私にもっと見せてほしいな!」
「え?」
「マジックをだよ!」
それから放課後の屋上で藍野のマジックショーが定期的に開かれるようになって……次第に2人の距離が縮まっていき、お互いに惹かれあっていく。そんな2人の甘々青春物語。
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マジック要素は少しだけあります。小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
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