姉妹チートNEXT

「へ?」

3人は靴箱の中味を見た。
上履きの上にそっと置かれてある白い封筒。
驚いた。
これってひょっとして噂の……。

「ちょっと貸せ!」

妹の天音が手紙を奪い取る。
そして読み上げる。

「なになに……『突然の事で驚いたでしょう。あなたの事が好きです。友達からでもいいので付き合ってください放課後体育館裏で待ってます』……これってラブレターじゃねーか!」

天音が大声で言う。
僕は天音の口を手でふさぐけど時すでに遅し。
人だかりが出来てる。
僕達はとりあえずその場から立ち去る。
天音は何か言いたげだったがとりあえず自分の教室に向かった。

「でも空、これ差出人の名前無いよ?」

姉の翼がそう言って手紙を返してくれた。
姉といっても双子なんだけど。
翼の言う通り差出人の名前が無い。
誰のだろう?
同じクラスの子かな?
クラスを見回す。知ってる子は石原さんと栗林さんくらいか……あとはあまり面識がない。
でも同級生とも限らないか。
しかし僕以下の年頃で「つきあって」は無いだろ?
結論。いたずらかな?
ドッキリ的な。そう考えた方がしっくりする。
僕は客観的に見て「人並み」くらいの才能はあると思うけど翼や天音みたいなチートじみた才能は持ってない。
僕に惚れるなんてことがあるわけない。考えるだけ馬鹿馬鹿しい。
だが、この一枚の手紙が大事件に発展するとは思ってもみなかった。

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