目が覚めると、記憶がありませんでした。
どうやら私は『稀代の聖女』で、かなりの力があったものの、いまは封じられている様子。ですが、そんなことはどうでもよく……。
「……私の旦那さま、格好良すぎるのでは……!?」
一目惚れしてしまった旦那さまが素晴らしすぎて、他の全てが些事なのです!!
とはいえ記憶を失くす前の私は、最強聖女の力を悪用し、残虐なことをして来た悪人の様子。
天才魔術師オズヴァルトさまは、『私を唯一殺せる』お目付け役として、仕方なく結婚して下さったんだとか。
聖女としての神力は使えなくなり、周りは私を憎む人ばかり。何より、新婚の旦那さまには嫌われていますが……。
(悪妻上等。記憶を失くしてしまったことは、隠し通すといたしましょう)
悪逆聖女だった自分の悪行の償いとして、少しでも愛しの旦那さまのお役に立ちたいと思います。
「オズヴァルトさまのお役に立てたら、私とデートして下さいますか!?」
「ふん。本当に出来るものならば、手を繋いでデートでもなんでもしてやる。…………分かったから離れろ、抱きつくな!!」
……でも、封じられたはずの神力が、なぜか使えてしまう気がするのですが……?
★『推し(夫)が生きてるだけで空気が美味しいワンコ系残念聖女』と、『悪女の妻に塩対応だが、いつのまにか不可抗力で絆される天才魔術師な夫』の、想いが強すぎる新婚ラブコメです。
レビュー