灰かぶりの妖精姫

著者:せん

エマは父と母に会いたかった。よく頑張ったね、と頭を撫でてほしい。頬にキスをして抱きしめてほしい。おはようとおやすみを言いたい、言われたい。家族と話をしながら食事をしたい。窓を開けると満天の星空がエマの視界いっぱいに広がる。屋根裏部屋で良かったことと言えば天国にいる父と母に近いことだ。 ──ドアマットヒロインが王子に見染められて幸せになる個人的王道シンデレラ(っぽい)ストーリー。

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