嘘と惚れ薬と婚約破棄

著者:有沢真尋

 手の中にあるのはガラスの小瓶。
 中身は惚れ薬です。惚れ薬。

 ――この薬を王子に盛るの。そうすれば王子はあなたの虜になって、衆人環視の夜会でここぞとばかりに婚約者の公爵令嬢と婚約破棄を宣言する。そしてあなたを妃にと望むわ。絶対に。

 ぱっとしない男爵令嬢が成り上るにはそれしかないと、母がいかがわしい魔法使いから大枚をはたいて入手してきてしまいました。

【エブリスタ・アルファポリスにも掲載あり】

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