『無能』と蔑まれてパーティから追放された白魔術師、最強を目指して剣術を極める ~1年後、全体完全回復魔術と剣聖を越える剣技を習得しました。え、俺たちが悪かったから戻ってきてくれ? 今さら遅いですよ~

著者:志鷹志紀

白魔術師であるアレンは、完全回復魔術や状態回復魔術等で勇者パーティに貢献していた。
だが、ある日彼は「お前は無能だ」と言われ、勇者パーティから追放されてしまう。

アレンは"全体"完全回復魔術や"全体"状態回復魔術や、付与魔術を習得できなかった。
完全回復魔術や状態回復魔術止まりの彼を「得意な回復魔術も極められず、付与魔術等も習得できない無能な男」と勇者たちは蔑み、追放したのだ。

勇者パーティーから追放されたアレンが街を歩いていると、小さな剣術道場が目に入った。
なんとなく中に入り、道場主に話を聞くと「ここで鍛えれば、誰でも剣聖になれる」と言われる。

アレンは勇者たちからの、「無能な男」という蔑みに苦しんでいた。
そして同時に、何かを極めて見返したいという思いも強まっていた。 

──アレンは道場に入門した。
回復魔術は極められなかったが、せめて剣術だけは極めてやると誓って。
最強になり、勇者たちを見返してやると誓って。

1年後、アレンは最強になった。

剣術を極め、剣聖を超えた。
アレンには天賦の才能があり、1年間剣術を習ったことで才能が開花したのだ。
さらに筋肉がついて自分に自信が持てたことで、全体完全回復魔術も習得した。
アレンは無能な男ではなくなり、回復魔術と剣術を極めた、最強の男になったのだ。

しばらくして、アレンは冒険者業を再開する。
アレンは規格外の肉体と剣術、全体完全回復魔術を駆使して迷宮を悠々と攻略していく。

ある日、アレンの元に勇者パーティーが訪れてきた。
彼らは何故かボロボロで、装備品も貧弱だった。

話を聞くと、彼らはアレンを追放したことで回復手段を失ってしまったらしい。
市販のポーションでは低級回復魔術にも及ばない。
フリーの白魔術師を雇ってもみたが、アレンのように完全回復魔術を使える者は皆無。
彼らは全体完全回復魔術を使えないアレンを蔑んだが、世の中の白魔術師の大半は完全回復魔術はおろか上級回復魔術も覚えられないのだ。

回復手段を失い、勇者パーティーは落ちぶれた。
そんな彼らは自らの過ちを悔やみ、アレンに謝罪する。
そして、パーティーに戻ってきてほしいと懇願する。

だが──アレンは彼らを許さなかった。

「え、俺たちが悪かったから戻ってきてくれ? ────今さら遅いですよ」

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