王子様を合法的に殴りたい 連載版

著者:小林晴幸

 これは、特に面識もないが無性に王子が殴りたくて仕方ない少女と、彼女(の拳)に運命を狂わされた男たち(複数形)のお話である。

 前世の記憶を思い出したことで、少女は一つの願いを抱くようになる。

 ――くっそあの王子超殴りてぇ!

 自分の生まれた『ここ』が前世で一度だけプレイした乙女ゲームの世界だと気づいた時、『ここ』にあの殴りたくって仕方のない王子(攻略対象)達がいるのだと気づいた時……少女は『王子を合法的に殴る方法』を考え始める。
 そして気付いた。

 そうだ、魔法学園に入ろう。

 『王子様』を殴ったらアウトだけど、『同級生』なら殴ってもセーフ!
 それが武術の授業ならむしろ殴らないでどうするよ!
 王国でも数の少ない女騎士を目指し、王子を殴る為に拳を磨き、少女は魔法学園に入学した。
 繰り返すが、王子を殴る為に。

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