幼馴染をあだ名呼びしてみたら挙動不審になった

著者:久野真一

 とある晩秋の夜、俺は一人考え事をしていた。
 幼馴染である藤本(ふじもと)を秋奈(あきな)と呼んでみたいと。
 しかし、物心ついた時から、名字呼びだったし、妙に思われないだろうか。
 少し迷ったものの、駄目なら駄目で断ってくれるだろうと、気軽に言ってみた。

「あのさ。藤本の事、下の名前で呼んでいいか?」

 提案はあっさり了承されたのだけど、翌日から彼女が急に挙動不審に。
 うーむ。内心違和感でもあるのだろうか……。

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