『オーウェン双子の可愛くない方』
それが、レイラ・オーウェンの名前だった。
幼い頃に病気にかかって以来、人とうまく話すことができないレイラ。一方、いつだって多くの人に囲まれている妹のシーラ。そう呼ばれるようになるのは、当然のことだった。
ある日、夜会から抜け出した先の庭園で、レイラは1人の美しい男性と出会う。彼こそが、社交界で噂の『氷の騎士』だった。けれど彼の様子は、噂とは全く違っていて……。
「人と話すのが苦手なんだ」
言葉を交わすうち、近寄りがたいと思っていた彼に、レイラは少しずつ惹かれていく。けれど。
「好きな人が、いるんだ」
動揺するレイラ。そして聞き出したその人の名前は、「シーラ・オーウェン」だった。
だが、どうやらシーラにも秘密があるようで……。
「……どう、引き受ける気になった?」
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