婚約者の幼馴染が、私の屋敷に住み着き、婚約者まで奪いました。彼女は病弱を盾に好き放題しているので、万能薬を作ることにします

著者:中森

「君との婚約は破棄する。私は、ナターシャとの真実の愛に目覚めてしまったんだ」

 伯爵令嬢である私、レイチェル・ティベールは、婚約者である子爵令息のアーノルド・ストーンに婚約破棄を言い渡された。
 ナターシャというのは、彼の幼馴染であるナターシャ・パリスのことだ。
 しかも、彼はさらに驚くべきことを言い始めた。

「それと、婚約破棄はするが、このままレイチェルは、この屋敷に住まわせる。当然、付き添いとして私もこの屋敷に住んだままだ。異存はないな?」

 いえ、異存しかありませんけれど……。

 現在アーノルドは、私の屋敷で生活している。
 そして数年前、病弱な幼馴染を看病したいということで、この屋敷にナターシャを住まわせてくれと頼みこまれた。
 私はそれを受け入れた。
 受け入れたけれど、あの時はまさか、こんなことになるなんて思わなかった。

 屋敷に住まわせてあげたのに、婚約者を奪われるなんて思っていなかった。
 飼い犬に手をかまれた気分だ。
 いや、そんなに生易しいものではない。
 気分的には、飼い犬に丸飲みにされたような感じだ。

 ナターシャは病弱を盾に、好き放題している。
 私は彼女を許すつもりはなかった。
 そこでまずは、万能薬を作ることにした。

 えっと、婚約者を奪った人の病気を治すなんて、聖人か何かと勘違いされそうですね。
 でも、万能薬は、彼女に復讐するのために使うのです。
 え、万能薬でどうやって復讐するのかって?

 それは、あとからのお楽しみです。

 この作品はアルファポリスにも掲載しています。

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