虐げられた男装令嬢、英雄に拾われる

著者:niku9

【本編完結】
両親を事故で亡くし、伯父の伯爵家へ引き取られたディートは、聖女候補である従姉のアンネ以外に伯爵家から聖女はいらないと、男として生きるよう言い渡された。それからアンネを引き立たせるためだけに性別すら偽って生きてきたが、努力も虚しく惨めに伯爵家のみならず使用人にまで虐げられる毎日を送っていた。
ついにアンネは聖女候補として神殿に見出されるが、聖女の資質に欠けるアンネのために女に戻って一緒に神殿へ行き、アンネの分まで力を尽くせと言われ、一生を伯爵家の付属物として使い潰されることを悟った。
その夜、伯爵家を離れるために重ねた努力の結果得た、王都の騎士団への入団推薦をよすがに、男と書かれたままの身分証を握りしめ、王都へと一人旅立った。

2か月後、待遇の良い騎士団の事務を希望して試験を受けると、何故か試験前からディートの力を知っていたようだった騎士団長に実戦部隊へ引き入れられてしまった。

貴族の世界に疲れ、人嫌いの「永久凍土の君」と噂される団長を支えながら、隊の中で一生懸命に生きるうちに、次第に国の英雄と讃えられる団長から向けられる視線や言葉が柔らかく、甘やかになって……。

虐げられて感情が乏しくなった男装令嬢と、「英雄」なのに少し対人不安のある騎士団長の物語です。
主人公はそれなりに虐げられています。
残酷なざまぁは控えめでお送りしたいと思います。

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