アイスバレット―最下級の魔女と呼ばれた少女―

著者:高島松

 魔術の名門家に生まれた少女、リーリウムは生まれつき魔術の資質が著しく劣っていた。

 家族からは出来損ないと蔑まれ、存在を無視されてきた彼女は、自分が唯一扱える最下級の水魔術、『アイスバレット』を訓練し、その技術を磨き続ける。

 すべては、家族に認めてもらうために。
 家族と共に食卓を囲み、ごはんを食べることを夢見て。

 だが、彼女の努力はついに認められることはなく、少女は失意のまま家を出るのだった。

 やがて、死に場所を求めてさ迷っていた少女は、万年雪に覆われた極寒の地で、身を寄せあって暮らす少年少女に出会う。

 村の犬小屋で暮らすこの孤児たちこそ、後に『魔王軍』と名乗って乱世の英雄となってゆく者たちだった。

 こうして新たな家族に出会った少女は、リーリウムの名前を捨て、自ら最弱の最下級魔術『アイスバレット』と名乗り、愛する人たちを守るため戦いに身を投じていくのだった。

 これは、最弱の魔術ひとつで戦国の世を駆け抜け、やがて魔王軍四天王の1人『最下級の魔女』と恐れられるようになる、1人の少女の物語である。

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