薬師一族である伯爵家の末娘であるわたしはなんと五回目の婚約破棄をされた。
その理由が。
「コーデリア、君との間に夫婦生活ができる気がしなくて」
あんなにも熱心に、わたしの研究を理解して応援してくれたと思っていたのに。彼は新しい恋人を腕に抱いて夜会会場に戻っていった。
打ちひしがれて幼馴染の伯爵令嬢セシリーに泣きついた。結婚の形に拘らないのなら、王太子殿下に援助してもらえるように売り込もうと言われ、夜会で接触することを決断した。
ところが、王太子殿下には愛妾になりたい令嬢達がわんさかいて、わたしなんかでは全然無理で。庭園に逃げ込めば、恋人たちの修羅場に遭遇。そのままじっとしていると、女好きだと噂の公爵に見つかった。
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