「君を愛することはない」と言った氷の魔術師様の片思い相手が、変装した私だった

著者:葉月秋水

幼少期に両親を亡くし、義母と義妹に冷遇されて育った伯爵令嬢フィーネ。
辺境の別邸に幽閉され、無能扱い。外に出ることさえできない出来損ないとして軽んじられていた彼女にはもうひとつの顔があった。

それは人類史上初となる飛竜種の単独討伐を果たした仮面の魔法使い――「黎明の魔女」としての顔。

幽閉されていた別邸を抜けだし、大好きな魔法で魔物をぶっ飛ばしていたら、いつの間にか伝説の魔法使いみたいな扱いを受けていたのだった。

そんなある日、届いたのは悪徳貴族として黒い噂も多いクロイツフェルト公爵家との縁談。

「君を愛することはない」

冷徹な氷の魔術師と呼ばれるシオンとの政略結婚――のはずだったのに、彼が探している思い人が四年前に命を救われた「黎明の魔女」であることが判明する。

その上、形式上のお飾り妻になるはずだったフィーネはうっかり魔法の才能を発揮して、王国中から注目を集める存在になっていって――

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