無自覚愛され側妃は皇帝陛下から逃げ出したい〜一夜限りのはずだったのに、愛していると言って何度も何度も追いかけてくるんですけど〜

著者:鈴木 桜

たった一夜の夢だった。
思い出だけを胸に生きていく。そう決めたのに、どうしてこんなことに……?

貧乏男爵家の妾の子として生まれた私は、それなりに美しいというだけの冴えない娘だった。どこからかそれを聞きつけた偉い人に引きずられるようにして首都に連れて行かれて、16歳の少年皇帝の寝所に放り込まれた。
その夜、私は初めての恋をした。
同時に、ここにいてはいけないと思った。私のような女が皇帝陛下の隣に立つなど、許されることではないから。
だから、朝日が昇る前に逃げ出した。
それが、6年前のことだ。
その晩に身籠った子を密かに産み、5年間逃げ続けた。
ところが1年前、とうとう彼に見つかって私は皇帝の側妃になった。

この1年間、なんとか側妃としての務めを果たしてきた。
だけど、本当なら私などは必要ないのだ。
だから……

今度こそ、逃げ切ってみせる──!

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