完璧と謳われる姉イザベルから「そんなことも分からないの?」と言われながら育った公爵令嬢イネス。
王太子妃となったイザベルの汚点とならないため完璧な結婚が求められていた彼女は、18歳になったある日、リオネル・オシャロア侯爵との結婚が決定した。
あくまでも姉の体面を保つための結婚だ。愛されることはないだろう
――――そう思っていたイネスだったが、リオネルはとても情熱的に彼女を愛した。
「俺はイネスを愛している!」
「自慢の妻だ!」
「君は誰よりも可愛い!」
これまで否定され続けていたイネスに訪れた、温かく幸せな結婚生活。
けれど、そんなある日。王太子から呼び出しを受けたリオネルとともにイネスは王宮を訪れる。そこで運悪く遭遇した姉のイザベルから
「まぁ! イネスったらそんなことも分からないの?」
と言われてしまうのだが――――?
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