ノーラント家の異母姉妹

著者:加上

ノーラント侯爵家には二人の娘がいる。一人はベリンダ。前ノーラント女侯爵の忘れ形見。一人はシルフィ。入り婿である現ノーラント侯爵が浮気をしてできた娘だ。実父と継母に虐げられて育ったベリンダは知っている。シルフィはみなに愛される少女。婚約者が彼女に首ったけになり、公衆の面前で婚約破棄を突きつけてきたとしても諦めていた。
――けれど。誰よりも先にその婚約者を批判したのはシルフィだった。「家系図もろくに読めないどころか婚約者の根も葉もない悪口を吹聴する男なんて願い下げです」

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