幼いころに両親を亡くしたローズは、叔父に引き取られたのち、侍女のように扱われ、従姉妹のミレスティに意地悪されながら生きてきた。
十六歳となり、ミレスティ共々王子の誕生日パーティーに招待されたローズは、庭の奥にいた国守りの精霊を助けるのだが、その手柄はミレスティのものに。
みんながミレスティを称賛する中、隣国から来たジェイクという男性だけが偽りを見抜く。彼に「あなたはどう生きたい?」と問われ、ローズは自分自身と向き合う。
ミレスティは大聖女候補と王子の婚約者候補のふたつの名誉を手に入れるのだが、王子がローズを気にしているのが気に入らない。大聖女となるために聖女宮へ入る時、お世話係としてローズを連れて行くと言う。
入ったら最後、もう自由に生きられない。そう感じたローズは初めての反抗に出る。
「そのお話、お受けいたします! あなた様の婚約者候補として、わたくしをシェリンガムへ連れて行ってくださいまし!」
新たな場所で自分の居場所を見つけ、抑えていた能力を無自覚に発揮し、ゆるゆるまったりと周りを巻きこんでいくお話。
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