天才美少女の自殺を幾度か止めていたら、惚れられ支配されそうになってる件

著者:時雨白

椿弓弦(つばきゆずる)が通う学校には万能の天才と言われる天才美少女こと、春野愛佳(はるのあいか)がいた。
自分とは天と地ほど、立場が違うので関わることが無いだろうと思っていた。
大雨の中歩道橋から飛び降りようとしている春野愛佳を見つけるまでは。
「自殺の件を誰かに連絡するのはダメ。これは私と椿君だけの秘密。」
「はぁ?そんな重い秘密いらないんだけど」
「誰かにバレたら、椿君が最も苦しむように自殺するわ」
「……」
始まりは、春野が次の自殺までの時間稼ぎをするための脅しだった。
しかし、ここから誤算が生じる。何もかも勝っているはずの椿に自殺は幾度も止められ。
時間が経つにつれ、友達ができ、趣味ができ、自殺の原因も解決され始める。
気が付けば空っぽだったはずの器には、多くのもので満たされ、自殺という考えは消えていた。
その代わりに欲しいものが1つできた。
それは簡単には手に入らない。
それは多くを譲るが譲らないと決めたものは絶対に譲らない。
それでも必ず手に入れると彼女は諦めなかった。
これは、頑固な二人が歩み寄るまでの話。

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