悪役令嬢の終わり方〜かつて、主人公だった悪女の話〜

乙女ゲー好きの限界OLである私、西田 真理(にしだ まり)は、繁忙期のデスマーチの疲れからか、交通事故に遭ってしまい命を落とす。
そうして、次に目を覚ました時、私は異世界の王国の公爵令嬢、ヒストリアに転生していた。

(……え!?ノーザレック公爵の令嬢ヒストリアって、最後にプレイした乙女ゲーの悪役令嬢じゃん!)

ゲームのシナリオ通りに進めば、ヒストリアはいずれ、ヒロインである男爵令嬢アリーの活躍によって数々の犯罪行為を暴かれ、王太子から婚約破棄を言い渡された上で地下牢送りになる運命。
死刑になることは無いものの、クリア後に「訳のわからない妄想のような譫言を言い続けている」という中々エグい描写がされるような、悲惨な末路を送るのだ。

ゲームのシナリオ自体は結構好きだったけど、流石にそんな結末はお断りなので、私は悪役令嬢にならないために、まず婚約者である王太子から距離を取ることにした。
父親に全力で媚を売って領地に引き籠り、ヤバめのイベントに備えて実力を鍛えたり、大好きなスイーツ開発に精を出したり、時には領地の問題を解決するために奔走したり。

そんなことをしている内に、何故だかヒロインや攻略対象者達との関わりができていて……?
                                                                                                                                                                                                                  
―――それももう、随分と昔のことだ。
                             
私が世界を救っても、世界は私を救わなかった。

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