ダンジョン化現象が世界におとずれて早数十年。
ダンジョン攻略はエンターテイメントとして社会に根付き、人類を楽しませていた。
鷗外みそらもその人だ。
もっとも彼はソロプレイ専門だが。
平凡・地味・冴えないメンズな彼にとって、ダンジョン攻略は最高のストレス発散場となっていた。
「ふははっ……我が闇の力の前に消えよ!」
闇系スキルを極めた彼は魔王コスプレでなりきりプレイを楽しんでいた。
そんなある日。
いつものように魔王なりきりプレイを楽しんでいた彼のもとに、女の子の悲鳴が届く。モンスターから女の子を助けた彼は、相手がクラスメイトの甘城アルマだと気づく。
身バレを恐れた彼は、キャラを突き通す。
「我は魔王ガイデルである! 貴様ら人類の頂点に立つべき支配者よ!」
幸いなことに(不幸なことに)闇系スキルを極めていたこと。超高難易度ダンジョンでソロプレイしたことで、アルマは彼を魔王だと信じてしまう。
さらに幸いなことに(不幸なことに)。
「魔王さま……わたしは前世であなたと恋仲だった者です」
アルマは電ぱ……感性がかなり独特なお嬢さんだった。
しかもアルマが美少女配信者として有名だったことで、みそらの魔王なりきりプレイが盛大にバズってしまう。
魔王の巨大な力を狙い、さまざまな思惑がうずまいていく。
みそらは絶対に身バレしてなるものかと、最強の魔王さまを演じつづけるのであった。
レビュー