ピアドリア国の貴族の間には、妙齢になると繰り返し聞かされる教訓がある。
一つ、婚約期間は最低半年設ける事
一つ、男は伴侶となり得る女性に誠意を持って愛情を示す事
一つ、女はよい伴侶を得るため最大限努力する事
一途な男性と積極的な女性というのが一般的な国で、カリン・パルッツィは二人目の婚約者からも婚約解消を懇願された。男尊女卑の国で暮らした前世の記憶を持つカリンは、どうしても男性に上手く接する事が出来ないのだ。項垂れる彼女の三人目の婚約者となったのは、国一番の浮気者と有名なエミリオ・ガルディーニだった。
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