プレイヤーズ

著者:雨川水海

 ことがゲームの話となれば、楽しんだ者こそ勝者、楽しむことこそ正義である。
 伝統ある白桜高校ゲーム部の部員達は、それをよく知る者達の集まりだ。

 部員の一人、ゲーマーネーム『マウス』は、通称『ソロのネズミ』と呼ばれている。
 数多のゲーム世界を渡り歩いて来た、歴戦のソロプレイヤー。彼が求めるモノは闘争であり、彼が欲するのは強者のみ。つまりまあ、戦闘メインの、シナリオライター泣かせのプレイヤーだ。
 国家の危機だろうが、世界の危機だろうが、そんなもの知ったこっちゃねえ。歴史背景? 人々の事情? 要は敵を倒せばいいんだろう!
 あらゆるシナリオを無視(スキップ)してとにかく戦闘だ!

 仲間? 要らぬ、一人で戦った方が戦いに歯応えが出る!
 ヒロイン? 知るか、邪魔だから棺桶で眠ってろ!
 自国が滅亡した? やったぜ、味方がやって来ないから一人で戦いたい放題だ!
 会話? なにそれ、この拳でぶん殴った方が早いでしょ!

 そうしてただ一人、数多のゲーム世界を救ったり滅ぼしたり殴り倒してきた、生粋の蛮族こそが、マウスというゲーマーである。
 そんなソロのネズミに、幼馴染から協力プレイのお誘いが入る。
「国盗りしたい」
 うーん、乱世思考。
 蛮族的ネズミも、こんな楽しそうなお誘いを受けては、ゲーム部員として否はない。

 果たして、マウスはゲーム内で平和的なコミュニケーション能力を取り戻せるのか。蛮族を卒業した超蛮族になれるのか。
 変わらず蛮族していても見てる分には楽しそうだな。そういうゲーム部員一同の期待の眼差しを向けられながら、ゲームスタート!

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