女衒に買われ商家で愛人をしていた『私』は、街を訪れた騎士団の中にかつての夫であり幼馴染だったロイの姿を見つけた。
6年前に離れ離れになってしまった彼にひと目でいいから会いたいと願ってきたけれど、愛人として汚れてしまった『私』は彼に会わせる顔がない。
そうして生きる希望を失った『私』に、大奥様の命令が下る。
「愛人、お前に嫁に行ってもらいたいのよ」
大奥様の大事な孫娘の身代わりとして嫁ぐことになった『私』は、嫁ぐまでの日々を病に冒され余命わずかな友人アレンと共に過ごす。そうして、アレンに乞われロイとの思い出を語り出すのだった。
流刑島の貧しい孤児だった『私』がロイと出会い、恋をして、愛人に転落するまでの『私』の物語を……
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