どうして?と言われても………

「お前の母は死んだ。もうお前のこと等、誰も気にしないわ。一人でのたれ死ぬがいい」

王宮からかなり離れ古ぼけた白い離宮に、ぽつんと1人取り残された14才の少女クライス。

先程彼女に言い放ったのは、側妃スジャータとその側近達。

先程まで彼女クライスの母アンシェルの葬儀が行われていた。 その後に王宮の部屋を追いたてられ、ホコリ舞う離宮に移されたばかり。

あの言い方ならば、身の回りの世話はおろか、食事等も与える気はないだろう。

「お母様、来年はお参り出来ぬかもしれませんが、お許し下さいね」

力なくため息を吐きながら、青空に向かってクライスは呟く。

普段から敵対視されていたので、何かされるとは思っていたが葬儀の日にまさか来るとは。

でも1人で憚らず泣けるのは、ちょっとだけありがたいと思った。

これからどうなるんだろう?

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