元伯爵子息様、「おれたちの関係はもうおしまいだ」と仰いますが、もうおしまいなのはあなただけですよ。

「おれたちの関係はもうおしまいだ」
ハナ・オルティスは、ダニエル・オルティス元伯爵子息にそう告げられた。ダニエルは、彼自身が愛してやまない「真に愛する人」を同伴し、ある日突然オルティス伯爵領にてやって来たのだ。(もうおしまいですって? おしまいどころか、わたしたちの関係は始まってもいなかった。ふんっ! ダニエル、もうおしまいなのはあなただけよ) ハナは、心の中で苦笑せずにはいられなかった。五年前、ダニエルはふたりの婚儀でハナを蔑ろにしたばかりかオルティス伯爵家の家門に泥を塗り、その場で実の両親に絶縁されていた。当然、ハナとの婚儀は破談になった。にもかかわらず、五年後、ダニエルはオルティス伯爵領で領地経営をして成功を収めたハナの前に現れたのである。クズのダニエルを寛容に迎え入れるハナ。そのハナにしだいに惹かれるダニエル。が、すでにダニエル破滅のカウントダウンは始まっていた。ハナのダニエルにたいするざまぁのカウントダウンが……。

※王道のストーリーでハッピーエンド確約です。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
※誤字報告をいただき、誠にありがとうございます。心より感謝いたします。(11/29付)

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